日本看護研究学会雑誌
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性周期における嗅覚感受性とにおいに対する嗜好の変化
吉成 舞江守 陽子川口 孝泰
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論文ID: 20181130044

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抄録

本研究の目的は,性周期における嗅覚感受性の変化およびにおいに対する嗜好の変化を明らかにすることであった。研究対象は,嗅覚機能が正常で,性周期の安定した20歳代の成熟期女性36名とした。方法は,嗅覚測定用基準臭であるT&Tオルファクトメーターを用い,成熟女性の黄体期と卵胞期の2時期で嗅覚検査を実施した。また,においの種類に対する嗜好性についても調査した。その結果,イソ吉草酸(C5H10O2)において,卵胞期よりも黄体期で検知閾値が有意に低く(p< .05),嗅覚感受性が高いことが示唆された。イソ吉草酸は腐敗臭や,ひとの体臭に近いにおいとされるものである。また,黄体期では基準臭A(C8H10O)のにおいを好むものは,Aのにおいが嫌いであるものに比べ,認知閾値が有意に高く(p< .05),嗅覚感受性が低いといえた。その他のにおいでは性周期による嗅覚感受性の変化は認められなかった。

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