論文ID: 20190619065
本研究は,筋ジストロフィー患者をケアする看護者の性役割態度認識と倫理的行動の関係を明らかにすることを目的とする。対象者は,筋ジストロフィー患者が入院している病棟を有する病院に勤務する看護者とし,無記名自記式質問紙調査で,「平等主義的性役割態度スケール短縮版(SESRA-S)」と「倫理的行動尺度」を用いた。対象者は,看護師126名,介護士31名であった。看護師では「SESRA-S」と「倫理的行動」および下位尺度のすべてに,介護士では「公正」以外の尺度と正の相関がみられた。看護師・介護士別の比較の結果,独立変数「性役割態度」は採択されなかった。性役割態度は,筋ジストロフィー患者をケアする看護者に共通した傾向を持ち,患者をひとりの人間として尊重し,倫理的行動認識を高めることによって,患者のセクシュアリティを尊重したケアができる可能性が示唆された。