日本看護研究学会雑誌
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若年性認知症がある人々が社会参加することの意味:
参与観察および当事者と支援者への面接調査の分析から
中畑 ひとみ門間 晶子尾﨑 伊都子
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論文ID: 20210711134

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抄録

目的:生活上の支障を抱えながらも若年性認知症者が社会参加することがどのような意味を持つのかを当事者や支援者双方の捉え方を通して明らかにすることである。方法:当事者および支援者への参与観察と半構成的面接を実施した。結果:若年性認知症者にとって社会参加は,発信することで役に立つという新たな役割を担い,希望を持ち続けるという意味があり,身近な人々とは,相手を気遣い協力し合う関係をつくり,他者との交流を励みとし互いに後押しするという意味を持っていた。さらに若年性認知症者ならではのリアリティを伝え,認知症への理解を広めるという意味を持っていた。結論:社会参加の意味は,若年性認知症者自身,身近な人々とのかかわり,不特定多数の人へ発信するという広がりを示した。今後は自分の感情を出し合い励まし合える対話の場を提案し,若年性認知症者の特性や希望を考慮した社会参加の場を創造していく必要がある。

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