論文ID: 20220602196
目的:演習に携わる教員に求められるファシリテーションスキル(以下,FS)を明らかにし,評価ツール開発に向けた基礎資料とする。方法:看護系大学教員12名に対し半構造的インタビューを行った。教員がファシリテーションを取り入れた演習の組み立てと進行について,語りの関係性を考慮しながら教員に求められるFSに関係する語りを抽出し質的帰納的に分析した。結果:演習において教員には,演習計画の段階から【学習の動機づけ方法の検討】,【興味を引き付ける課題設定】が求められ,演習実施では【学生同士の相互理解の促進】,【多様な観点からの考察を支援】等や,振り返りでは【演習体験から看護観の育成につなげる支援】等の15カテゴリのFSが抽出された。結論:演習に携わる教員に求められるFSは,演習を通して主体的な学びを促進し,思考できる場を作り,演習後も学習者が自ら学ぶための支援であることが示された。