日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
ISSN-L : 1883-1273
症例報告
眼および肺病変で発症し,24年後に胃病変の出現をみたサルコイドーシスの1例
増永 愛子石川 理惠神宮 浩之安藤 常浩生島 壮一郎武村 民子折津 愈江石 義信
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 29 巻 1 号 p. 41-45

詳細
抄録

サルコイドーシスは長期の経過を経て他臓器に病変が出現することがあり常に長期的な経過観察が必要である.本症例は発症から24年の経過後に胃病変が出現した.【症例】53歳・女性.30歳時BHL,虹彩炎,ツ反陰性,ACE高値からサルコイドーシスを疑われ,右前斜角筋リンパ節生検にてサルコイドーシスと診断された.BHLは自然消退したが,32歳時肺野病変が出現し眼病変も悪化したため当院紹介となった.無症状のため無治療で経過観察していたが,10年後には肺野病変はほぼ消失しACE も基準値内になった.44歳頃より貧血を認めたため,上部消化管内視鏡検査を施行するも所見は萎縮性胃炎のみであった.50歳以降は外来通院を中断していたが特に増悪は認めなかった.53歳時,検診の胃透視検査で異常を指摘され,内視鏡検査にて胃体部に腫瘤性病変を認めた.生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めサルコイドーシスの胃病変と診断した.

著者関連情報
© 2009 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top