日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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シンポジウム
診断基準の評価と今後検討すべき課題:神経・筋サルコイドーシスの視点から
熊本 俊秀
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2009 年 29 巻 1 号 p. 81-82

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抄録

神経および筋病変診断における新診断基準における有用性と問題点を明らかにする目的で自験例の神経・筋サルコイドーシス30例(神経17例,筋13例)について,新診断基準に従って再評価した.その結果,「組織診断/definite群」および「臨床診断/probable群」は神経サルコイドーシス64.7 %,筋サルコイドーシス100 %で,筋に比べ,神経の診断は困難であった.神経病変のように組織診断ができないものやisolated neurosarcoidosisは確定診断が困難で,しばしば除外される.一方,全身性サルコイドーシスに非サルコイドーシス性の神経疾患,または筋疾患が合併する症例ではover-diagnosisとなる.その克服のためには,新診断基準の改訂よりは,組織診に変わる神経や筋サルコイドーシスの画像診断基準の確立,新しい診断マーカーの開発と確実な生検法,組織診断法の開発が必要である.

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© 2009 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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