日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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学会賞受賞論文
サルコイドーシスにおける診断,免疫反応の解析,転帰,臨床病型の解析
四十坊 典晴
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2010 年 30 巻 1 号 p. 5-8

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抄録

サルコイドーシスの臨床経過はきわめて多様な幅がある.診断時においても眼病変のみで診断に難渋する場合もある.豊富な症例を有するJR札幌病院の症例を中心に本症の1.診断,2.免疫反応の解析,3.転帰,臨床病型の解析を行った.516例の組織診断群を用い,各種検査所見(血清ACE,血清リゾチーム,血清免疫グロブリンG,ツベルクリン反応,気管支肺胞洗浄(BAL)検査,ガリウム・シンチグラフィー)を診断時に行い,胸部X線病期ごとの異常の陽性率を解析した.肺局所の免疫応答に関してBAL液細胞を用い,Th1反応におけるInterleukin-12(IL-12)とIL-18の重要性および転帰におけるClara cell 10-kDa蛋白質の重要性に関して検討を行った.臨床型に関して多施設共同研究(JR札幌病院,JR東京総合病院,日本赤十字社医療センターと京都大学)として,5年以上経過観察したサルコイドーシス症例を臨床型の判定に関するWASOG作業部会における取り決めに基づき分類し,検討した.

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© 2010 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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