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田中 健介, 山口 哲生, 在間 未佳, 山口 陽子, 一色 琢磨, 若林 義賢, 細木 敬祐, 鈴木 智史, 河野 千代子, 山田 嘉仁, ...
2010 年 30 巻 1 号 p.
9-13
発行日: 2010/09/21
公開日: 2012/11/07
ジャーナル
フリー
症例1は初診時39歳女性.2003年に眼所見と両側肺門リンパ節腫脹(BHL)で発症した.2009年に疼痛を伴う耳下腺と両鼠径リンパ節の腫脹が出現した.近医でミノサイクリンを使用されたが無効であり,当科に紹介されメトトレキサート(以下MTX)7.5 mg/週の単剤治療を開始したところBHLと表在リンパ節の改善が認められた.症例2は初診時51歳男性,以前より眼,皮膚,肺病変に対してプレドニゾロン(以下PSL)が投与されていた.PSLの中止後に肺病変の増悪と肺アスペルギルス症の合併を認め当科に紹介された.MTX 7.5 mg/週の単剤治療にて肺野陰影の改善が認められた.MTXはsteroid-sparing agentとして位置づけられ単剤治療での有効性を示した報告は少なく,今回2症例を報告した.
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土田 哲人, 長谷川 徹, 坂本 淳, 南場 雅章, 遠藤 利昭, 安藤 利昭
2010 年 30 巻 1 号 p.
15-20
発行日: 2010/09/21
公開日: 2012/11/07
ジャーナル
フリー
サルコイドーシスの経過観察中,肺,眼および皮膚病変においては自然消退する例があることが知られている.しかし,心病変に自然改善例があるか否かは不明である.今回,心臓サルコイドーシスによる完全房室ブロック(CAVB)において,ペースメーカー植込み治療後,ステロイド剤未治療にもかかわらず数年を経て房室ブロックの自然改善を認めた2症例を経験した.いずれもペースメーカー植込み後1年以上心室ペーシングが必要な状態であったが,その後自然にCAVBが改善し,すべて自己脈となった.その後いずれも7年以上経過観察中であるがCAVBの再発を認めていない.心臓サルコイドーシスの病態の一つであるCAVBの自然消失を示す貴重な症例と考えられた.
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三浦 佳代, 加藤 元康, 高橋 和久
2010 年 30 巻 1 号 p.
21-26
発行日: 2010/09/21
公開日: 2012/11/07
ジャーナル
フリー
症例は59歳の男性.21歳時にハワイに移住.1986年(39歳)に顔面,膝,肘関節に皮疹が出現し,左頬部より皮膚生検施行.1991年には経気管支肺生検を施行し,いずれもサルコイドーシスと診断された.この時点でプレドニゾロンの全身投与を受けたが改善を認めなかった.1997年頃より労作時息切れを自覚するようになり,徐々に肺病変が進行した.2006年9月よりプレドニゾロン40 mg/日+メトトレキサート10 mg/週を開始したが改善は認められず,2007年4月より在宅酸素療法導入となった.2008年5月肺移植目的でUCLA medical center受診し,同年6月両肺移植を施行された.現在は呼吸不全もなく,ハワイで日常生活を送っている.本邦でサルコイドーシス症例に対して肺移植を施行した例は未だなく,貴重な症例と考えられた.肺移植とサルコイドーシスに関して若干の文献的考察を加え報告する.
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能島 大輔, 谷本 安, 栗本 悦子, 早稲田 公一, 池田 元洋, 古賀 光, 宮原 信明, 金廣 有彦, 中田 安成, 谷本 光音, 片 ...
2010 年 30 巻 1 号 p.
27-32
発行日: 2010/09/21
公開日: 2012/11/07
ジャーナル
フリー
サルコイドーシスと原発性胆汁性肝硬変は,ともにPropionibacterium acnesの関与が考えられているが,両疾患の合併は稀である.我々は, サルコイドーシスと原発性胆汁性肝硬変を合併した3例を経験した.全例が中年女性であり,抗ミトコンドリア抗体が陽性であった.3例中2例に皮膚サルコイドーシスを認めた.発見時,全例でサルコイドーシスは胸部X線病期Ⅰであった.全例でウルソデオキシコール酸の内服を行い, サルコイドーシスの進行は認めないものの,1例で肝不全の進行が認められ,15年の経過で死亡した.
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杉野 圭史, 磯部 和順, 岩田 基秀, 伊藤 貴文, 和田 知博, 鏑木 教平, 後町 杏子, 石田 文昭, 山越 志保, 佐藤 大輔, ...
2010 年 30 巻 1 号 p.
33-42
発行日: 2010/09/21
公開日: 2012/11/07
ジャーナル
フリー
症例は59歳,女性.2002年に胃部不快感が出現.上部消化管内視鏡検査でびらんを伴う隆起性病変を認め,生検では非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が認められた.胃サルコイドーシスが疑われたが,そのまま経過観察となっていた.2005年9月頃より労作時呼吸困難が出現したため,プレドニゾロン(PSL)40 mg/日が開始された.2006年5月に在宅酸素療法が導入され,2007年5月にPSL 10 mg/日まで減量された.しかし,徐々に呼吸困難ならびに胸部画像所見が悪化したため,PSL 10 mg/日に加えて,Nアセチルシステイン吸入およびシクロスポリンを併用投与した.2008年10月に亜急性の増悪をきたし,ステロイドパルス療法,アザチオプリン,シベレスタットを投与したが効果は得られず,呼吸不全で死亡した.剖検では,肺は通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia; UIP)パターンが主体であったが,小葉中心性および広義の間質の線維化も伴っていた.縦隔・肺門リンパ節および胃粘膜下に広範な硝子様結節を認めた.生前,胃生検で採取された非乾酪性類上皮細胞肉芽腫内ならびに剖検肺は抗Propionibacterium acnes抗体が陽性であった.膠原病を疑わせる所見ならびに明らかな粉塵,鳥類等の曝露歴はなかったことから,胃病変ならびに難治性肺線維症を合併したサルコイドーシスと診断した.
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松浦 駿, 黒石 重城, 橋本 大, 中村 祐太朗, 乾 直輝, 須田 隆文, 千田 金吾
2010 年 30 巻 1 号 p.
43-49
発行日: 2010/09/21
公開日: 2012/11/07
ジャーナル
フリー
症例は70歳男性.2003年にサルコイドーシス(肺,心,眼)と診断された.プレドニゾロン30mg(以下 PSL)内服を開始し,外来にて維持量まで漸減されていた.2008年11月上旬より発熱,呼吸困難が出現し,胸部X線写真にて,網状影の増強と全肺野にすりガラス状陰影,低酸素血症を認め入院となった.抗菌薬を投与するも改善に乏しく,気管支鏡検査の結果などから感染症は否定的であった.入院後も画像所見,呼吸状態が悪化し,肺サルコイドーシスの急性増悪と診断し,ステロイドパルス及び後療法,アザチオプリン(以下AZP)の投与を開始した.これらにより画像所見,呼吸状態の改善がみられた.肺サルコイドーシスにおいて急性増悪を来たすことは稀であり,文献的考察を加え報告する.
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阿部 恭子, 玉田 勉, 奈良 正之, 久田 修, 光石 陽一郎, 村上 康司, 村松 聡士, 五味 和紀, 小倉 健, 海老名 雅仁, 貫 ...
2010 年 30 巻 1 号 p.
51-58
発行日: 2010/09/21
公開日: 2012/11/07
ジャーナル
フリー
症状を伴う骨サルコイドーシスは,サルコイドーシス症例の1~2%と比較的稀である.当科で経験した骨サルコイドーシス4例の特徴について検討した.4例とも多臓器に病変を有し,骨病変発症までの罹病期間が長い傾向にあった.骨病変部位は四肢末端に多かった.骨病変の分布を把握するには骨シンチグラフィーが有用であった.また診断にはMRIが有用であり,いずれの症例もT1強調画像にて低信号を示した.治療に関しては4例中3例がステロイド投与にてすみやかに症状の改善が認められた.真菌感染症のためにステロイドが使用できなかった1例では,イトラコナゾール投与後に感染症の改善とともに骨病変の改善が認められた.4例とも治療介入にて症状の改善が認められており,病的骨折予防のためにも早期診断,早期治療が重要であると考えられた.
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佐久間 一基, 橋本 直子, 陶山 佳子, 永野 秀和, 今田 映美, 間山 貴文, 吉田 知彦, 田中 知明, 龍野 一郎, 横手 幸太郎
2010 年 30 巻 1 号 p.
59-65
発行日: 2010/09/21
公開日: 2012/11/07
ジャーナル
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症例は33歳女性,2008年夏より全身の疼痛が出現した.2ヵ月後より口渇多飲が出現し,当科紹介受診した.MRI検査にて下垂体茎の腫大とガドリニウムでの一様な造影効果を認め,水制限AVP負荷試験より完全中枢型尿崩症と診断された.発熱や炎症反応の上昇,肺門リンパ節の腫脹等は認められなかったが,縦隔,頸部,腋窩リンパ節の腫脹を認め,リンパ節生検よりサルコイドーシスと診断された.サルコイドーシスは全身性の肉芽腫性疾患で多臓器の障害を呈するが,中枢神経病変を合併することは比較的少なく,約1~2%程度で中枢性尿崩症が認められる.一方,中枢性尿崩症の原因としてのサルコイドーシスは0.5%程度とされており,尿崩症の原因鑑別として忘れてはならない疾患である.今回,中枢性尿崩症を呈したサルコイドーシスの1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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鳥羽 慶栄, 川村 亮英, 大橋 里奈, 小沼 恵美, 岩瀬 彰彦
2010 年 30 巻 1 号 p.
67-71
発行日: 2010/09/21
公開日: 2012/11/07
ジャーナル
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症例は61歳男性.57歳時に若年性アルツハイマー病の診断を受け通院中.定期検査の胸部X線写真で両側全肺野にびまん性網状影を認め,経気管支肺生検でサルコイドーシスと診断された.前年の胸部X線では異常を認めず,比較的急性に発症したものと考えられた.脳MRIでは中枢神経系に異常は認めず,本症とアルツハイマー病との合併は偶発的なものと考えられた.自覚症状がなく無治療で経過観察していたが,6ヵ月後に右気胸が出現した.気胸は自然軽快し胸部CTで肺野の病変も改善傾向にあったが,胸膜直下の気腫性変化が出現しており,この破綻が気胸の原因と考えられた.サルコイドーシスに気胸を合併することは稀であるが,CTの経過観察から胸膜直下のブレブ形成が気胸の原因と推定された.
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