日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
表在性リンパ節腫脹を認め結核との鑑別を要したサルコイドーシスの1例
重原 克則森 勇樹四十坊 典晴市村 志保伊藤 峰幸佐々木 真由美佐々木 純小池 祐史平賀 洋明
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2011 年 31 巻 1 号 p. 19-23

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抄録

症例は24歳男性.発熱と頸部,腋窩,鼠径部のリンパ節腫脹を認め,2004年11月に某医に入院した.頸部リンパ節生検にて類上皮細胞性肉芽腫を認め,結核性リンパ節炎を疑われ他院に転院した.再度同部位より生検し,同様の病理像を認めたが,結核菌は検出されなかった.抗結核薬(HRE)を投与されたが,改善なくサルコイドーシスの可能性も考慮されて,2005年2月当院転院となった.表在性リンパ節腫脹のほか,胸部CTで縦隔および両側肺門のリンパ節腫大があり,Gaシンチグラフィーで全身のリンパ節に取り込みを認めた.前医での生検リンパ節標本を取り寄せ,Ziehl-Neelsen染色と抗BCG抗体による免疫染色,およびQFTを実施したところすべて陰性であり,サルコイドーシスと診断した.プレドニゾロンの経口投与で改善を認めた.

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© 2011 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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