日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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シンポジウム 肺サルコイドーシスのステロイド治療
肺サルコイドーシスのステロイド治療
四十坊 典晴
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2011 年 31 巻 1 号 p. 57-59

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抄録

サルコイドーシスの臨床経過はきわめて多様な幅がある.5年以上経過観察された症例を集積検討した3施設の共同研究の結果では肺病変が悪化する場合にステロイド内服がおこなわれた割合は8%から25%であり,現在継続使用している症例は6%程度と低値であった.肺の線維化の進行も非常にゆっくりである場合が多くステロイド内服を行っていない症例が多く存在する.肺サルコイドーシスでステロイド治療を必要とした多様な症例を中心に提示した.肺サルコイドーシスに対するステロイド治療の開始の判断,減量,中止の判断,および治療の再開の判断は多様な臨床経過であるため,非常に困難な場合がある.サルコイドーシスの多様な臨床経過の理解および適切な診療・治療情報を共有できるシステムができることが望まれる.

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© 2011 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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