日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
Löfgren 症候群を合併したと考えられた腫瘤型筋サルコイドーシスの1例
高佐 顕之中山 雅之坂東 政司間藤 尚子中屋 孝清細野 達也山沢 英明杉山 幸比古
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2012 年 32 巻 1 号 p. 113-117

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抄録

症例は51 歳女性.2008 年12 月に右大腿から膝にかけて丘疹が出現し,左上腕・臀部・両側大腿に皮下硬結を自覚した.その約2週間後から37 –38 ℃の発熱を認め,両膝・足関節の腫脹,疼痛を自覚し,さらに左膝から下腿にかけて結節性紅斑が出現した.臀部皮下硬結の生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた.胸部単純X線写真で肺門部リンパ節腫脹を認めたため,サルコイドーシスが疑われ当科に紹介された.MRI画像所見から腫瘤型筋サルコイドーシスと診断した.また両側肺門リンパ節腫脹を認め,関節炎,結節性紅斑を伴っていたことからLöfgren 症候群を合併していたと考えられた.Löfgren 症候群は本邦では稀であり,また腫瘤型筋サルコイドーシスとの合併は報告されておらず,貴重な症例と考え報告する.

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© 2012 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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