日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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総説
最近の眼科におけるトピックス
石原 麻美
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2013 年 33 巻 1 号 p. 43-45

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抄録

最近の眼科のトピックスとして,疫学,診断,治療,遺伝要因について紹介する.①ぶどう膜炎の統計:サルコイドーシスはぶどう膜炎の原因疾患として一番多い疾患であり,かつ65歳以上の高齢者ぶどう膜炎の中でも最多であった.②診断:眼所見と全身検査所見の組み合わせによる「眼サルコイドーシス国際診断基準(案)」を使って,横浜市立大学におけるぶどう膜炎新患患者118例を前向きに検討した.国際基準でサルコイドーシスと診断された患者20例は,18例(90%)がBHL陽性で,全例が日本の診断基準でも本症と診断された.両診断基準の一致率は概ね高いと考えられた.③治療:ステロイド抵抗症例や眼合併症に対し,硝子体手術は治療の選択肢の一つとなってきている.④遺伝要因:サルコイドーシスの疾患感受性遺伝子の検索のため,患者700例および健常人886例を用いてゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った.HLAクラスⅡ領域と疾患との顕著な相関が確認され,HLA領域以外に新たな疾患感受性候補遺伝子領域を見出した.

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© 2013 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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