日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
ISSN-L : 1883-1273
解説
IgG4関連疾患
松井 祥子
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 35 巻 1 号 p. 47-49

詳細
抄録

IgG4疾患は,高IgG4血症と共に,全身の諸臓器に腫大や結節,肥厚性病変を認め,組織所見ではリンパ球,IgG4陽性形質細胞の著しい浸潤と線維化が生じる疾患と定義されている.涙腺,唾液腺,膵臓,後腹膜,腎臓,前立腺,リンパ節,などに病変を認めることが多いが,まだその病因は明らかでない.一方,サルコイドーシスの肉芽腫性病変も,肺,眼,心臓,皮膚,神経・筋,肝・脾,腎,リンパ節など全身の臓器に及ぶことが知られている.両疾患は,その病理所見や病態が全く異なるものの,肺門・縦隔リンパ節腫大を認め,ステロイド反応性が良好,時に病変の自然消褪がある,などの臨床的特徴に類似点が見られる.サルコイドーシスの病因が解明されつつあるように,本疾患においても,病因や病態の解明が望まれる

著者関連情報
© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top