日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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解説
IgG4関連疾患の腎病変
佐伯 敬子
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2015 年 35 巻 1 号 p. 51-54

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抄録

IgG4関連疾患の腎病変の代表はサルコイドーシスと同様,間質性腎炎である.全身症状に乏しく,腎外病変の精査中,あるいは偶然に腎機能低下で発見されやすい点も類似する.IgG4関連腎臓病は中高年男性に好発し,血清IgG,IgG4, IgE高値,低補体血症を高頻度に認める.抗核抗体やリウマトイド因子もしばしば陽性となるが,疾患特異抗体は陰性でCRPは低値である.腎画像異常を認めやすく,造影CTでの多発性腎実質造影不良域が代表的病変だが,単発性腫瘤を示すこともある.診断には組織所見が重要で,IgG4関連間質性腎炎はリンパ球とIgG4陽性形質細胞の密な浸潤と花筵様線維化で特徴づけられ,腎サルコイドーシスのような肉芽腫性病変はみられない.多くの症例で中等量ステロイド内服により腎機能はすみやかに回復するが,治療前に腎機能低下が進行している症例では回復は部分的なため,早期発見,早期治療が望ましい.

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© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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