日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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解説
他科にも知ってほしい各科領域臓器病変[眼科領域]
サルコイドーシス眼病変
石原 麻美
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2015 年 35 巻 1 号 p. 65-68

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抄録

サルコイドーシスはぶどう膜炎の原因疾患として最も多く,とくに高齢女性患者が多い.サルコイドーシスに特徴的な眼所見が複数あれば本症を疑うが,特異的な所見は存在しないため,結核など他の原因のぶどう膜炎や,眼内悪性リンパ腫との鑑別が難しい症例がある.治療の基本は局所治療(点眼,眼周囲注射)であるが,重篤な後眼部病変には全身治療(副腎皮質ステロイド内服)が必要な場合がある.薬物ではコントロールできない炎症や眼合併症に対して,最近では硝子体手術を選択する症例が増えており,消炎や視力向上が期待できる.本症は長い経過の中で寛解と再燃を繰り返すうちに,様々な眼合併症をきたし,quality of vision(QOV)やquality of life(QOL)を低下させる.自覚症状がなくても軽微な炎症が続いている可能性は常にあり,長期にわたる定期的な眼科受診が必要である.

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© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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