抄録
抗胸腺細胞グロブリン(ATG)を含む前処置にて同種骨髄移植を施行した後,EBV関連lymphoproliferative disorders (EBVPTLPD)を発症した2例を報告する。症例1は31歳の重症再生不良性貧血の男性で,HLA一致の非血縁者をドナーとし,全身リンパ節照射(TLI)/cyclophosphamide (CY)/ATGにて前処置を行い,骨髄移植を施行した。I度の急性GVHDはcyclosporine (CsA)に反応し軽快した。day+53に上咽頭部に腫瘤が認められ,EBVLPD(多クローン性)と診断したが,CsAの中止のみで腫瘍は退縮した。症例2は11歳の急性骨髄性白血病(FAB:M4E)の男児で,HLA 1座(B locus)不一致の母親をドナーとし,全身放射線照射(TBI)/busulfan/LPAM/ATGにて前処置を行った。GVHD予防はCsA+methotrexateにて行っていたが,消化器症状を主体としたIV度のGVHDが認められた。CsAをFK506に変更しGVHDは軽快したが,day+82にEBVLPDが腸管内リンパ腫(単クローン性)の形で認められた。免疫抑制の解除に加え,acyclovir, ganciclovir, EBV-specific T cellsの輸注にて加療したが,staphylococcus epidermidisによる敗血症と多発性脳梗塞を併発しday+118に死亡した。今後,本例のような治療抵抗性骨髄移植後LPDに対しては早期診断や適切な治療法についての研究が必要と思われる。