日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
ISSN-L : 1883-1273
原著
当院におけるEBUS-TBNAによるサルコイドーシスの診断
手技,診断成績を中心に
水守 康之勝田 倫子中原 保治福田 泰大西 康貴加藤 智浩白石 幸子花岡 健司鏡 亮吾三宅 剛平横井 洋子塚本 宏壮守本 明枝佐々木 信河村 哲治望月 吉郎
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 35 巻 1 号 p. 73-78

詳細
抄録

近年,サルコイドーシス組織診断におけるEndobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration(EBUSTBNA) の有用性が報告されている.当院においても臨床的にサルコイドーシスが疑われる症例で穿刺可能な縦隔リンパ節 病変がある場合はEBUS-TBNAを検査の第1選択としている.当院におけるEBUS-TBNAの手技および成績について報告 する.対象は2012年4月~ 2014年12月に当院でサルコイドーシスと組織診断された57例のうち,縦隔・肺門リンパ節に対 してEBUS-TBNAが施行された42例.穿刺操作は介助者が行い,吸引ストローク時には穿刺方向をわずかに変化させなが ら穿刺した.穿刺針は40例で21G,2例で22Gを用いた.EBUS-TBNAによる組織学的診断感度は92.9%(39/42)と良好 であった.全例で組織検体を提出したが,診断がえられなかった3例のうち1例は不適切検体,残る2例はリンパ節組織が 採取されていたが,サルコイドーシスに特徴的な病理所見を認めなかった.EBUS-TBNAに伴う合併症は認めなかった. EBUS-TBNAによる病理組織診はサルコイドーシス診断に有用と考えられた.

著者関連情報
© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top