2015 年 35 巻 1 号 p. 73-78
近年,サルコイドーシス組織診断におけるEndobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration(EBUSTBNA) の有用性が報告されている.当院においても臨床的にサルコイドーシスが疑われる症例で穿刺可能な縦隔リンパ節 病変がある場合はEBUS-TBNAを検査の第1選択としている.当院におけるEBUS-TBNAの手技および成績について報告 する.対象は2012年4月~ 2014年12月に当院でサルコイドーシスと組織診断された57例のうち,縦隔・肺門リンパ節に対 してEBUS-TBNAが施行された42例.穿刺操作は介助者が行い,吸引ストローク時には穿刺方向をわずかに変化させなが ら穿刺した.穿刺針は40例で21G,2例で22Gを用いた.EBUS-TBNAによる組織学的診断感度は92.9%(39/42)と良好 であった.全例で組織検体を提出したが,診断がえられなかった3例のうち1例は不適切検体,残る2例はリンパ節組織が 採取されていたが,サルコイドーシスに特徴的な病理所見を認めなかった.EBUS-TBNAに伴う合併症は認めなかった. EBUS-TBNAによる病理組織診はサルコイドーシス診断に有用と考えられた.