2019 年 39 巻 1_2 号 p. 33-38
QRS幅の広い心機能の低下した心不全症例に対する植込み型デバイス治療として,心臓再同期療法(cardiac resynchronizationtherapy: CRT)は確立された治療法であり,日本循環器学会ガイドラインにおいては,心不全の程度,左脚ブロックの有無,QRS幅,洞調律の有無,ペーシング依存の有無によってCRTの適応が細かく決められている.我が国においては2006年に保険償還され,年々植込み数が増加しているが,CRTに反応しないnon-responderの存在が問題となっている.ここでは,CRT治療の歴史,ガイドライン適応と,non-responderを減らすための進化した現在のCRT治療について概説する.