日本口腔内科学会雑誌
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症例報告
ゴリムマブ投与中の関節リウマチ患者に発症した下顎骨骨髄炎の1例
村山 高章加納 慶太西川 聡美
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2018 年 24 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬であるゴリムマブ(GLM)は関節リウマチ(RA)薬として優れた効果を有するが,副作用として免疫抑制による易感染性を示す。今回われわれはGLM 投与中のRA患者に発症した下顎骨骨髄炎症例を報告する。患者は75歳のRA患者の女性で,約4年間GLMを投与されていた。左側下顎の腫脹・疼痛を訴えて当科を2017年3月に受診したが,2016年11月に歯周病のため近医歯科で左側下顎7を抜歯されていた。免疫抑制下での歯性感染が原因の下顎骨骨髄炎と考えられた。抗菌薬を投与し,整形外科医によるGLMの休薬で急性症状は消退した。RA治療のためGLMは1か月後に再開された。現在瘻孔形成など慢性症状はあるが,疼痛や腫脹も無く患者が手術を拒んでいることや,GLMの長期休薬ができないことから,QOLを考慮すると手術は躊躇され,抗菌薬投与で経過観察を行っている。生物学的製剤投与時には口腔管理と医科歯科連携が重要である。

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