2020 年 45 巻 2 号 p. 1-12
COVID-19 パンデミックにより非常事態宣言が発表され、地域の医療需給体制は変化をきたした と考えられるが、診療所の領域においても受療行動の変化を体験することとなった。Face to Face で受診するという役割から、感染症への対応にシフトし、その結果、軽症救急、健康問題に関連 したよろず相談のアクセシビリティも低下することとなった。鍼灸院においても同じような傾向 をとったと聞き及ぶが、この度は日本人の受療行動とケアのエコロジーから考えてみることにす る。病の意味へのアプローチとして FIFE、ライフ・ヒストリー、サルトジェネシスについての解 説を行い、家庭医の診察室に陪席する体験をしていただければと思う。その上で、これからの鍼 灸院を鍼灸学における診断治療技術以外に必要な事を想像する作業をディスカッションしてみた。