抄録
鍼灸、手技療法の外来臨床では、今回テーマとなっている肩関節周囲炎の多くの患者が治療院に来院する。患者の疼痛、可動域制限、拘縮などの主訴改善に治療家は熱心に格闘していると推察される。しかし、この疾患の理解が不十分であれば治療効果もあまり望めないのではないか。本疾患の患者が外来診療で、鍼灸手技療法の適応となる疾患なのか(鑑別)?どの時期(疼痛期、拘縮期、寛解期)にあるのか?ベッドサイドの理学検査でどのような病態が想定されるのか?など分析検討して適切な治療アプローチが要求される。
今回、とくに本疾患の拘縮(軟部組織の伸張性の低下など)が存在すると思われる症例に鍼灸手技治療でも治療期間を要する病態に、即効的に効果があると思われる手技療法「まわひねりき療法(操作)」を紹介する。