抄録
肩関節周囲炎は日常の臨床でよく遭遇する疾患の一つである。その原因は腱板炎・断裂、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、肩峰下滑液包炎、烏口突起炎などが推測される。
鍼通電療法は、肩関節周囲炎の疼痛の緩解や ROM の改善に有用な治療方法と考えている。筆者は肩関節周囲炎に対する鍼通電療法は組織選択性を基本に実施している。つまり、傷害された筋肉、神経、関節、靭帯などを目標に刺鍼部位を決定している。周波数は、低頻度である1Hz を臨床でよく活用しているが靭帯や関節包に対する刺激は高頻度(60Hz または 100Hz)で実施することもある。
鍼通電療法は、低頻度刺激と高頻度刺激ではその生体反応に差異があることが明らかとなっている。例えば、2Hz ではβエンドルフィン、2Hz と 15Hz の Mix ではエンケファリン、100Hz ではダイノルフィンなど、内因性オピオイドに差異があることも報告されている。また、鍼通電刺激における筋血流の増加反応も多くの指標を用いその効果が示されており、その作用機序は軸索反射であることがわかった。