日本ペインクリニック学会誌
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原著
各種神経障害性疼痛に対するガバペンチンの有効性
渡部 愛子小林 真己子石川 貴洋子三宅 絵里鈴木 孝浩佐伯 茂小川 節郎
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2008 年 15 巻 2 号 p. 139-143

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抄録

通常の治療で痛みが軽減しなかった難治性の神経障害性疼痛の28症例(帯状疱疹後神経痛8症例,CRPS type I 6症例,CRPS type II 2症例,腕神経叢引き抜き損傷2症例,脊髄損傷2症例,その他8症例)におけるガバペンチンの鎮痛効果と副作用を後ろ向きに検討した.ガバペンチンの投与開始までの期間は,初診から平均42カ月であった.ガバペンチンは200-600 mg/日(1~3回に分服)で開始し,個々の症例で服用量を調節した.ガバペンチン服用後に,28症例の14症例(50%)で明らかに疼痛が軽減し,ガバペンチンの服用量は200-2,400 mg/日であった.副作用として眠気(29%)や消化器症状(21%)の発現が多く,副作用で8症例がガバペンチンの服用を中止したが,重篤な副作用はなかった.今回の検討から,ガバペンチンは難治性の神経障害性疼痛の治療薬のひとつとして試みる価値があると考えられた.

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© 2008 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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