日本ペインクリニック学会誌
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症例
脊髄くも膜下麻酔後に転換性障害による神経症状を呈した1症例
清水 雅子舟尾 友晴長谷 一郎鳥山 澄子狩谷 伸享浅田 章
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2009 年 16 巻 2 号 p. 158-160

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抄録
われわれは,脊髄くも膜下麻酔後に多彩な神経症状を訴えた症例に,転換性障害が考えられたので報告する.42歳女性で,脊髄くも膜下麻酔で子宮鏡下ポリープ切除術が予定された.しかし,脊髄くも膜下麻酔で十分な麻酔域が得られなかったので,全身麻酔に変更した.術後,離握手,膝関節の屈曲・伸展,右足関節の背屈・底屈は可能であったが,脊髄くも膜下麻酔4時間半後より手足に力が入らないとの訴えとともに,上下肢の運動神経障害,下肢のみの感覚神経障害を訴えた.一時,第3頸髄レベルまでの感覚神経障害を訴えたが,呼吸や循環動態の変動はなく,時間の経過とともに神経症状は消失した.
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© 2009 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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