日本ペインクリニック学会誌
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原著
覚醒時とプロポフォールによる鎮静時のbispectral indexを用いた硬膜外リドカイン投与による鎮静効果の評価
西村 友紀子渡辺 倫子稲垣 喜三
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2009 年 16 巻 4 号 p. 482-486

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抄録

目的:リドカインの硬膜外投与による鎮静効果を,覚醒時とプロポフォールによる鎮静時において,bispectral index(BIS)を用いて評価する.
方法:腰部硬膜外麻酔下に手術予定の患者 60人を,リドカイン硬膜外投与群(硬膜外群),持続静注群,対照群の3群に分け,各薬液の投与前と投与後5分ごとのBIS値,非観血的平均動脈圧,心拍数,経皮的酸素飽和度を記録した.15分後に麻酔高を測定した後,3.2μg/mlの標的濃度に設定したプロポフォールによる鎮静を行い,5分ごとに血圧,心拍数,呼気終末二酸化炭素分圧,直腸温を測定し,薬液投与後5,10,20分後の血清リドカイン濃度を測定した.
結果:硬膜外群で10,15分後にBIS値が低下した.血清リドカイン濃度は硬膜外群と持続静注群で有意な違いはなかった.
結論:硬膜外リドカイン投与により覚醒時に BIS値が低下した.同程度のリドカイン血中濃度ならば,硬膜外投与のほうが鎮静作用が強いと考えられた.

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© 2009 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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