日本ペインクリニック学会誌
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症例
ガッセル神経節の高周波熱凝固後に急性化膿性髄膜炎を発症した1例
橋本 孝太郎中川 雅之中野 裕子佐藤 薫村川 雅洋
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2011 年 18 巻 4 号 p. 392-394

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抄録
われわれはがん性痛に対してガッセル神経節の高周波熱凝固を行った後に急性化膿性髄膜炎が生じた症例を報告する.50歳の男性で,右下顎の歯肉癌による痛みに対してガッセル神経節の高周波熱凝固を行った.右下顎の痛みは軽減したが,同日の深夜より強い頭痛と39°Cの発熱が起こった.明らかな髄膜刺激徴候はなかったが,4日後の脳脊髄液検査で細胞数増加,蛋白濃度の上昇,糖濃度の低下があり,細菌性髄膜炎が疑われた.パニペネム/ベタミプロン4 g/日とバンコマイシン2 g/日を投与した.高周波熱凝固から8日後に解熱し,頭痛は消失した.神経脱落症状はなかった.
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© 2011 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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