日本ペインクリニック学会誌
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症例
プラミペキソールが有効であった有痛性下肢運動障害疾患の1症例
杉浦 健之徐 民恵幸村 英文平手 博之藤田 義人薊 隆文伊藤 彰師笹野 寛祖父江 和哉
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2011 年 18 巻 4 号 p. 384-387

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抄録

プラミペキソールの服用後に有痛性下肢運動障害疾患が軽快した症例を報告する.患者は60歳代の男性で,右膝関節の再置換術後から右足趾(第2~5)に痛みと不随意運動が発現した.足趾の痛みは,持続性で歩行時に増強していた.不随意運動は,安静時に足趾内転位を示すジストニアと,1-2 Hzの不規則な持続性の振戦であった.下肢遠位側の病変で,痛みと不随意運動を特徴とする“痛む脚と動く足趾症候群”を疑ったが,確定診断には至らず,有痛性運動障害疾患として取り扱った.仙骨硬膜外ブロックとプラミペキソールの内服後に,足趾の痛みと不随意運動は軽減した.プラミペキソールを増量後に,不随意運動はほぼ消失し,歩行が円滑にできるようになった.その後は,坐骨神経ブロックを隔週に行い,プラミペキソールの内服を継続している.下肢静止不能症候群の治療薬であるプラミペキソールは,本症例のような有痛性下肢運動障害疾患にも効果がある可能性がある.

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© 2011 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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