日本ペインクリニック学会誌
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原著
帯状疱疹後神経痛に対するプレガバリンの効果
中村 隆治大下 恭子仁井内 浩田口 志麻中布 龍一佐伯 昇福田 秀樹濱田 宏河本 昌志
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2012 年 19 巻 4 号 p. 497-502

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抄録

プレガバリンは本邦での製造販売承認から日が浅く,投与法や効果に対する知見が不足している.当科では新規にプレガバリンを投与する際のプロトコール(従来の鎮痛薬を可能な限り中止し,開始量75 mg/日とする)を作成した.今回,これに基づくプレガバリン投与による痛みスコアの変化と副作用の発生状況を後方視的に検討した.対象は2010年8月から11月にプレガバリン処方を開始した帯状疱疹後神経痛の11患者とした.投与前と維持量での痛みスコア(0-10)は持続痛で3[0-8]と3[0-7],発作痛で4[0-9]と2[0-7]であり,発作痛が有意に減少した(中央値[最小-最大]).維持投与量は中央値300 mgで,決定理由は増量不要4例,ふらつき4例,体重増加2例,むくみ1例,眼症状1例(中止),上限量到達1例だった(重複あり).帯状疱疹後神経痛に対して,発作痛を低下させる効果が確認された.一方,副作用のために最高用量まで増量ができない患者が11例中5例あったため,投与開始時は少量から始め,増量が必要であれば慎重にすることが望ましいと考えられた.

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© 2012 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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