日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
ISSN-L : 1340-4903
ペインクリニック専門医試験問題および模範解答例
2019年度一般社団法人日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医認定試験および模範解答
ジャーナル フリー HTML

2020 年 27 巻 1 号 p. 118-127

詳細

※2020年1月11日(土)に行われたペインクリニック専門医認定試験の合格率は92.0%でした.

I 記述問題

【大問題】

選択記述問題:以下の2題から1題を選び,所定の用紙に解答してください.(配点:15点)

  • 1.   腹腔内の悪性腫瘍による内臓痛に対する神経ブロック鎮痛方法について,神経ブロックを3つ挙げ,その適応となる痛み,方法,合併症について述べよ.

    <解答例>

    • 1)   内臓神経ブロック
      • ①   適応となる痛み:上腹部のがん性内臓痛(とくに膵臓がんによる痛み)に対してよく行う.肝臓・胆道系,膵臓,胃,空腸,回腸,盲腸,横行結腸右半分,腎臓,副腎,腸間膜,大動脈周囲リンパ節由来の上腹部痛・背部痛が適応となる.
      • ②   方法:背部後方からのアプローチと開腹手術時に行う前方からのアプローチがある.背部後方からのアプローチは,X線透視下やCTガイド下で,椎体外側接近法または経椎間板法で行う.椎体外側アプローチでは第1腰椎椎体側面から椎体前面まで針を進め,生理食塩水を用いた抵抗消失法を用いて抵抗消失が得られたところで造影剤を注入する.大動脈,椎体全面,および横隔膜脚で囲まれたスペースが造影されること,血管・臓器内への流入や側方・後方への広がりがないことを確認した後に薬液とともに注入する.経椎間板アプローチでは第12胸椎/第1腰椎または第1腰椎/第2腰椎椎間板で刺入する.永久ブロックとしてエタノールが用いられる.
      • ③   合併症:

        ・交感神経の遮断:低血圧,起立性低血圧が発生し,腸管蠕動運動が亢進する.

        ・エタノールによる副作用:エタノール不耐症の患者では酩酊状態となり,顔面紅潮や動悸,嘔気などみられる.肋間神経の神経炎を合併することがある.

        ・手技による合併症:大動脈穿刺,臓器穿刺(腎臓穿刺,肺穿刺による気胸,横隔膜穿刺).右側からのアプローチの際には胸管穿刺による乳糜胸を起こすことがある.根動脈へエタノール注入すると前脊髄動脈症候群を発症し,不可逆性の対麻痺が発生する.また,エタノール注入後に可逆性の血管攣縮を起こすことにより,一過性の対麻痺が生じることがある.

        ・感染.

    • 2)   下腸間膜動脈神経叢ブロック
      • ①   適応となる痛み:横行結腸左半分以下,S状結腸,直腸,膀胱,子宮,卵巣由来の下腹部,骨盤内臓痛に対して適応がある.
      • ②   方法:腹腔神経叢ブロックの手順とほぼ共通している.経椎間板アプローチでは第3/4腰椎椎間板を経由するように穿刺する.
      • ③   合併症:腹腔神経叢ブロックと同様である.
    • 3)   上下腹神経叢ブロック
      • ①   適応となる痛み:直腸,前立腺,精嚢,膀胱後半,子宮頸部,膣円蓋由来の骨盤内臓痛が適応となる.
      • ②   方法:腹臥位や斜位とし,第5腰椎・第1仙椎間が開くように下腹部に枕を置く.X線透視装置は正面図と側面図に設定する.正面像では第1仙椎の上縁が前後一致するように管球の方向を調節する.傍脊椎法あるいは経椎間板法で穿刺針を椎体前面に進め,造影剤を注入し,正面像で椎体内の幅で両側に広がっていること,側面像で第5腰椎と仙骨前縁に広がっていることを確認し,薬液を注入する.
      • ③   合併症:重篤な合併症の報告はないが,下痢,低血圧,経椎間板アプローチでは椎間板炎,椎体炎,血管穿刺,後腹膜出血,腸管穿孔などの起こる可能性がある.

    <参考文献>

    日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会編集.ペインクリニック治療指針改訂第5版.東京,真興交易医書出版部,2016.

    日本ペインクリニック学会がん性痛に対するインターベンショナル治療ガイドライン作成ワーキンググループ編集.がん性痛に対するインターベンショナル治療ガイドライン.東京,真興交易医書出版部,2014.

  • 2.   60歳,女性.数日前から左胸部にピリピリとした痛みを自覚,今朝から同部位に発疹が出現し,帯状疱疹が疑われた.1カ月前に急性心筋梗塞に対して薬剤溶出性ステントが留置され,現在,抗血小板療法が継続中である.血液生化学検査で異常は認めていない.1)帯状疱疹の薬物療法,2)急性期の痛みの薬物療法,3)帯状疱疹後神経痛の薬物療法について述べよ.なお,薬物療法については,具体的な初期投与量,投与に際しての注意点も述べよ.

    <解答例>

    • 1)   帯状疱疹の薬物療法

      以下の抗ウイルス薬を投与する.

      • ①   アシクロビル:

        ・経口:通常,成人には1回アシクロビルとして800 mgを1日5回経口投与する.

        ・静注:通常,成人にはアシクロビルとして1回体重1 kg当たり5 mgを1日3回,8時間ごとに1時間以上かけて,7日間点滴静注する.

      • ②   バラシクロビル:通常,体重40 kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回1,000 mgを1日3回経口投与する.
      • ③   ファムシクロビル:通常,成人にはファムシクロビルとして1回500 mgを1日3回経口投与する.
      • ④   アメナメビル:通常,成人にはアメナメビルとして1回400 mgを1日1回食後に経口投与する.

        ※ただし,①~③に関しては,腎障害のある患者または腎機能の低下している患者では,投与量および投与間隔などについて注意する.

    • 2)   急性期の帯状疱疹の薬物療法
      • ①   非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):ロキソプロフェン150 mg/日など.

        ※NSAIDsの副作用である消化性潰瘍,腎機能障害,出血傾向等を考慮して,投薬の可否,薬物選択,投与期間等を考慮する.

      • ②   アセトアミノフェン:4,000 mg/日あるいは60 mg/kg/日.

        ※肝機能障害,極端な低栄養,アルコール性肝障害のある患者では,投与量ないし投与間隔について考慮する.

      • ③   コデインリン酸塩:通常,成人には,コデインリン酸塩水和物として,1回20 mg,1日60 mgを経口投与する.なお,年齢症状により適宜増減する.

        ※腎機能障害のある患者では投与量および投与後の副作用発現に注意する.

      • ④   モルヒネ塩酸塩:通常,成人には,モルヒネ塩酸塩水和物として1回5~10 mg,1日15 mgを経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.

        ※腎機能障害のある患者では投与量および投与後の副作用発現に注意する.

    • 3)   帯状疱疹後神経痛の薬物療法
      図5

      本邦における神経障害性疼痛薬物療法アルゴリズム

      日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂版作成ワーキンググループ編集.神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂第2版.東京,真興交易医書出版部,2016,p49図5.

      • ①   プレガバリン:通常,成人には初期用量としてプレガバリン1日150 mgを1日2回に分けて経口投与する.

        ※腎機能を評価して投与量を調節する.

      • ②   ガバペンチン:通常,成人にはガバペンチンとして初日1日量600 mg,2日目1日量1,200 mgをそれぞれ3回に分割経口投与する.

        ※許認可薬の適応外使用である.

      • ③   ミロガバリン:通常,成人には,ミロガバリンとして初期用量1回5 mgを1日2回経口投与する.

        ※腎機能を評価して投与量を調節する.

      • ④   トラマドール:通常,成人にはトラマドール塩酸塩として1日100~300 mgを4回に分割経口投与する.なお,症状に応じて適宜増減する.ただし1回100 mg,1日400 mgを超えないこととする.

        ※腎機能を評価して投与量を調節する.

      • ⑤   フェンタニル貼付剤:初回貼付用量は本剤貼付前に使用していたオピオイド鎮痛薬の用法・用量を勘案して,0.5 mg,1 mg,2 mgを選択する.

        ※他のオピオイド鎮痛薬から切り替えて使用する.

      • ⑥   モルヒネ塩酸塩:通常,成人には,モルヒネ塩酸塩水和物として1回5~10 mg,1日15 mgを経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.

        ※腎機能の障害のある患者では投与量および投与後の副作用発現に注意する.

【小問題】

必須記述問題:以下の5題すべてについて,所定の用紙に簡潔に述べてください.(配点:5題,各5点,計25点)

  • 1.   医療安全において用いられる用語において,「インシデント」と「アクシデント」について説明してください.

    <解答例>

    • ①   インシデントとは,ヒヤリ・ハットとほぼ同義であり,医療者は患者に被害を及ぼすことはなかったが,医療現場でヒヤリとした,あるいはハットとした経験をした事例である(医療行為がなされなかったが,なされた場合には,なんらかの被害の発生が予測される,または,誤った医療行為がなされたが,実害がなかった場合).
    • ②   アクシデントとは,医療過誤を含む医療事故と同義であり,医療が関連してなんらかの人的被害が生じた場合をいい,医療を行った医療者の過失の有無は問わない事例である(医療施設内での医療全過程で発生する人身事故で,患者のみならず医療従事者に被害が生じた場合も含まれる).

    <参考文献>

    日本臨床医学リスクマネジメント学会テキスト作成委員会編集.医療安全管理実務者標準テキスト.東京,へるす出版,2016,pp2–6.

  • 2.   脊髄刺激療法について考えられている主な鎮痛効果を述べてください.

    <解答例>

    • ①   脊髄後角でのゲートコントロール説:電気刺激によって抑制性の介在ニューロンが活性化し,痛覚入力の制御が起こる.
    • ②   痛覚伝導の抑制:電気刺激によって脊髄後角の広作動域ニューロンの異常な活動が抑制される.
    • ③   下行性疼痛抑制系の刺激・賦活
    • ④   GABAなど内因性疼痛抑制系の賦活
    • ⑤   交感神経抑制作用

    <参考文献>

    脊髄刺激療法.日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会編集.ペインクリニック治療指針改訂第5版.東京,真興交易医書出版部,2016,pp72–4.

  • 3.   オピオイド鎮痛薬の乱用・依存の早期発見のための危険徴候について述べてください.

    <解答例>

    • ①   軽微な徴候

      ・高用量のオピオイド鎮痛薬処方を要求する

      ・激しい痛みがないにもかかわらず薬物を貯める

      ・特定の薬物の処方を希望する

      ・他の医療機関から同様の薬物入手する

      ・許容を超える用量への増量

      ・痛み以外の症状の緩和のための不適正使用

      ・処方医の予測に反した薬物の精神効果の出現

    • ②   重篤な徴候

      ・処方薬の転売

      ・処方箋の偽造

      ・他人からの薬物の入手

      ・経口薬の注射のための液体化

      ・医療機関以外からの処方薬物の入手

      ・紛失エピソードの多発

      ・不法薬物の同時使用

      ・指導にもかかわらず,度重なる内服薬の増加

      ・風貌の変化

    <参考文献>

    オピオイド治療中の諸問題.日本ペインクリニック学会非がん性慢性[疼]痛に対するオピオイド鎮痛薬処方ガイドライン作成ワーキンググループ編集.非がん性慢性[疼]痛に対するオピオイド鎮痛薬処方ガイドライン.東京,真興交易医書出版部,2012,p49.

  • 4.   慢性疼痛患者の集学的治療をするにあたって,チームがどのような治療者で構成されるべきか,述べてください.

    <解答例>

    各専門のスタッフが診察室に一堂に会して患者の診療を行う.

    ペインクリニックの医師,リハビリテーション,整形外科,神経内科,心療内科,臨床心理士,理学療法士,看護師,薬剤師,栄養士,社会福祉士などで構成される.

    <参考文献>

    日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会編集.ペインクリニック治療指針改訂第6版.東京,真興交易医書出版部,2019,p13.

  • 5.   三叉神経痛について,臨床的特徴,診断,治療を記載してください.

    <解答例>

    • ①   臨床的特徴:1枝領域のみの疼痛は少なく,2枝,3枝の疼痛が多い.激痛である発作痛を繰り返し,痛みを誘発するトリガーポイントが存在する.洗顔や食事,会話といった顔面,口腔への軽微な刺激により疼痛が誘発される.発作の間欠期には疼痛がない.好発年齢は中高年以降の女性に多い.
    • ②   診断:特徴的な臨床像とMRIで小脳橋角部での血管による三叉神経圧迫(画像で明らかでないこともある.以前は画像で血管の圧迫がないものを典型的三叉神経痛としていたが,現在では血管の圧迫が明らかなものを含んでいる).
    • ③   治療:

      1)薬物療法:神経障害性疼痛治療薬(カルバマゼピンが第一選択薬,その他ラモトリギンやバクロフェンなど).

      2)インターベンショナル治療:三叉神経末梢枝やガッセル神経節に対する局所麻酔薬を使用した神経ブロック治療や高周波熱凝固治療.

      3)手術療法(減圧術)

      4)放射線療法(ガンマナイフ)

    <参考文献>

    日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会訳.国際頭痛分類第3版beta版.東京,医学書院,2014,pp154–6.

    10.典型的三叉神経痛.大瀬戸清茂監修.ペインクリニック診断・治療ガイド第5版.東京,日本医事新報社,2013,pp263–74.

II 多肢選択問題

 それぞれの設問に適切な答えを2つ選んでください.(配点:30題,各2点)

  • 1.   脊髄造影を行う時,以下の薬物とその休薬期間について最も適切な組み合わせを2つ選んでください.
    • a.   アスピリン ──── 7~10日
    • b.   ワーファリン ──── 1,2日
    • c.   ビグアナイド ──── 1,2日
    • d.   リマプロスト ──── 5~6日
    • e.   リバロキサバン ──── 2,3日

    解答:a,e

  • 2.   人を対象とした臨床研究に関する倫理指針において,「軽微な侵襲」と判断できるものを2つ選んでください.
    • a.   抜け落ちた毛髪の採取
    • b.   小切開による組織の採取
    • c.   造影剤を用いないMRI撮像
    • d.   既承認医薬品の研究目的での投与
    • e.   匿名で回答する質問用紙による調査

    解答:c,e

  • 3.   次のうち,低水準に該当する消毒薬を2つ選んでください.
    • a.   グルタラール
    • b.   ポビドンヨード
    • c.   消毒用エタノール
    • d.   ベンザルコニウム塩化物
    • e.   クロルヘキシジングルコン酸塩

    解答:d,e

  • 4.   薬物アナフィラキシーについて正しい組み合わせを2つ選んでください.
    • a.   II型アレルギーである
    • b.   薬物投与開始60分後に異常の有無を確認する
    • c.   ただちに副腎皮質ホルモン薬を静脈内注射する
    • d.   ただちにアドレナリン0.3 mg(成人)を筋肉内注射する
    • e.   複数回,安全に使用できた薬物でも発症することがある

    解答:d,e

  • 5.   薬物と作用部位の組み合わせが正しいものを2つ選んでください.
    • a.   ケタミン ──── オピオイド受容体
    • b.   ガバペンチン ──── カルシウムチャネル
    • c.   トラマドール ──── AMPA受容体
    • d.   ミロガバリン ──── ナトリウムチャネル
    • e.   メキシレチン ──── ナトリウムチャネル

    解答:b,e

  • 6.   下行性疼痛抑制系について正しい組み合わせを2つ選んでください.
    • a.   橋 ──── セロトニン
    • b.   延髄 ──── ノルアドレナリン
    • c.   扁桃体 ──── セロトニン
    • d.   脊髄後角 ──── オピオイド
    • e.   中脳水道周囲灰白質 ──── β-エンドルフィン

    解答:d,e

  • 7.   神経線維について正しいものを2つ選んでください.
    • a.   B線維は有髄線維である
    • b.   C線維の伝導速度は10 m/secである
    • c.   個々の神経線維は神経周膜で包まれている
    • d.   Aδ線維は新(外側)脊髄視床路を上行する
    • e.   末梢における痛みの受容器はパチニ小体である

    解答:a,d

  • 8.   Transient Receptor Potential(TRP)V1受容体と最も関係するものを2つ選んでください.
    • a.   酸
    • b.   氷
    • c.   砂糖
    • d.   アルカリ
    • e.   カプサイシン

    解答:a,e

  • 9.   仙腸関節・股関節の疼痛誘発テストを2つ選んでください.
    • a.   Newton test
    • b.   Phalen test
    • c.   Patrick test
    • d.   Jackson test
    • e.   Spurling test

    解答:a,c

  • 10.   心理テストで正しい組み合わせを2つ選んでください.
    • a.   Pain Catastrophizing Scale(PCS) ──── 痛みの破局的思考
    • b.   Pain Self-Efficacy Questionnaire(PSEQ) ──── 痛み自己効力感
    • c.   Pain Disability Assessment Scale(PDAS) ──── 身体的・精神的健康
    • d.   Short-Form 36-Item Health Survey(SF-36) ──── 日常生活の支障
    • e.   Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS) ──── 性格

    解答:a,b

  • 11.   デルマトーム(皮膚分節)について正しい組み合わせを2つ選んでください.
    • a.   母指 ──── C5
    • b.   母趾 ──── L5
    • c.   外陰部 ──── S5
    • d.   鼻の先端 ──── 三叉神経第2枝(V2)
    • e.   みぞおち(胸骨の先端部) ──── Th6

    解答:b,e

  • 12.   超音波ガイド下神経ブロックについて正しい組み合わせを2つ選んでください.
    • a.   筋膜 ──── 低エコー
    • b.   神経線維 ──── 高エコー
    • c.   薬液注入抵抗 ──── 神経内注入
    • d.   リニアプローブ ──── 視野拡大
    • e.   コンベックスプローブ ──── 深部ブロック

    解答:c,e

  • 13.   腰部交感神経節ブロックについて正しいものを2つ選んでください.
    • a.   超音波ガイド下に行うことが多い
    • b.   合併症として陰部大腿神経炎がある
    • c.   L5交感神経幹の神経遮断を目標とする
    • d.   腰椎椎体の側面のやや腹側に交感神経幹が走行する
    • e.   超音波ガイド下に行うと薬液の拡がりを確認しやすい

    解答:b,d

  • 14.   腕神経叢から分枝する神経について正しい組み合わせを2つ選んでください.
    • a.   筋皮神経 ──── 外神経束
    • b.   腋窩神経 ──── 内神経束
    • c.   橈骨神経 ──── 後神経束
    • d.   肩甲上神経 ──── 中神経幹
    • e.   肩甲背神経 ──── 上神経幹

    解答:a,c

  • 15.   頚神経叢の皮枝について正しいものを2つ選んでください.
    • a.   頚横神経
    • b.   大後頭神経
    • c.   小後頭神経
    • d.   鎖骨下神経
    • e.   耳介側頭神経

    解答:a,c

  • 16.   パルス高周波法について正しいものを2つ選んでください.
    • a.   間欠的に通電
    • b.   設定温度42℃
    • c.   針の先端は1 mm露出
    • d.   約300 Hzの高周波電流
    • e.   1.0 V以上の電気刺激で針先の位置を確認する

    解答:a,b

  • 17.   神経と支配筋の組み合わせとして,正しい組み合わせを2つ選んでください.
    • a.   尺骨神経 ──── 小円筋
    • b.   腋窩神経 ──── 三角筋
    • c.   橈骨神経 ──── 上腕二頭筋
    • d.   筋皮神経 ──── 上腕三頭筋
    • e.   肩甲上神経 ──── 棘上筋

    解答:b,e

  • 18.   オピオイド鎮痛薬の代謝物で鎮痛活性があるものを2つ選んでください.
    • a.   オキシモルフォン
    • b.   ノルフェンタニル
    • c.   ノルオキシコドン
    • d.   O-デスメチルトラマドール(M1)
    • e.   タペンタドール-O-グルクロニド

    解答:a,d

  • 19.   次のオピオイド鎮痛薬のうち,本邦においてがん性疼痛以外にも保険適応があるものを2つ選んでください.
    • a.   モルヒネ坐剤
    • b.   モルヒネ注射剤
    • c.   トラマドール筋肉内注射剤
    • d.   ヒドロモルフォン経口速放剤
    • e.   フェンタニル経口腔粘膜速放製剤

    解答:b,c

  • 20.   タペンタドールについて正しいものを2つ選んでください.
    • a.   CYPによる代謝を受ける
    • b.   生体内利用率は70%である
    • c.   本邦での適応は慢性疼痛である
    • d.   力価はオキシコドンの5分の1である
    • e.   ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有している

    解答:d,e

  • 21.   メサドンに関する記載について誤っているものを2つ選んでください.
    • a.   慢性疼痛にも使用できる
    • b.   他のオピオイド鎮痛薬との交叉耐性が少ない
    • c.   経口投与での生物学的利用能は約50%とされる
    • d.   NMDA受容体拮抗作用によりオピオイド耐性と痛覚過敏を回復する
    • e.   活性代謝産物が存在せず,胆汁排泄であり腎機能障害時にも使用できる

    解答:a,c

  • 22.   オピオイド鎮痛薬離脱の症状として正しいものを2つ選んでください.
    • a.   下痢
    • b.   尿閉
    • c.   傾眠
    • d.   徐脈
    • e.   あくび

    解答:a,e

  • 23.   アセトアミノフェンについて正しいものを2つ選んでください.
    • a.   解熱作用がある
    • b.   抗炎症作用がある
    • c.   1日総量は4,000 mgが限度である
    • d.   N-アセチルシステインにより肝障害が起こる
    • e.   アセトアミノフェン中毒の治療薬にN-アセチル-p-デンゾキノンイミンがある

    解答:a,c

  • 24.   デュロキセチンの副作用で頻度の高いものを2つ選んでください.
    • a.   頻脈
    • b.   頭痛
    • c.   口渇
    • d.   低血糖
    • e.   低血圧

    解答:b,c

  • 25.   ベンゾジアゼピン系薬物のうち長時間作用型の薬物を2つ選んでください.
    • a.   クアゼパム
    • b.   ブロチゾラム
    • c.   トリアゾラム
    • d.   ニトラゼパム
    • e.   フルニトラゼパム

    解答:a,e

  • 26.   片頭痛の予防治療薬で本邦で第一選択となるものを2つ選んでください.
    • a.   リシノプリル
    • b.   ガバペンチン
    • c.   カンデサルタン
    • d.   プロプラノロール
    • e.   バルプロ酸ナトリウム

    解答:d,e

  • 27.   特発性三叉神経痛の診断基準に記載されている痛みの特徴について正しいものを2つ選んでください.
    • a.   激烈な痛み
    • b.   5分間持続する反復性の発作痛
    • c.   痛みの性質は電撃の走るような鋭い痛み
    • d.   後頭部のトリガー部位への刺激により誘発される
    • e.   両側性の顔面痛の発作が少なくとも5回以上起こる

    解答:a,c

  • 28.   梨状筋症候群の症状が増悪する因子を2つ選んでください.
    • a.   臥位
    • b.   坐位
    • c.   足関節の屈伸
    • d.   下肢(股関節)伸展外旋
    • e.   下肢(股関節)屈曲内旋

    解答:b,e

  • 29.   脊髄損傷後の痛みについて正しいものを2つ選んでください.
    • a.   NSAIDsが第一選択である
    • b.   疼痛部位は感覚障害は伴わない
    • c.   脊髄空洞症を合併することがある
    • d.   痛みを経験する患者は20%以下である
    • e.   高位の損傷では自律神経反射の原因となる

    解答:c,e

  • 30.   悪性腸腰筋症候群について正しいものを2つ選んでください.
    • a.   外傷後に生じることが多い
    • b.   運動神経の障害は稀である
    • c.   股関節の有痛性屈曲固定が生じることがある
    • d.   腸腰筋の攣縮にはプレガバリンが有効である
    • e.   第1から第4腰椎の腰仙部神経叢障害が主因である

    解答:c,e

以上

一般社団法人日本ペインクリニック学会

ペインクリニック専門医認定委員会

 
© 2020 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
feedback
Top