2020 年 27 巻 1 号 p. 118-127
※2020年1月11日(土)に行われたペインクリニック専門医認定試験の合格率は92.0%でした.
選択記述問題:以下の2題から1題を選び,所定の用紙に解答してください.(配点:15点)
<解答例>
・交感神経の遮断:低血圧,起立性低血圧が発生し,腸管蠕動運動が亢進する.
・エタノールによる副作用:エタノール不耐症の患者では酩酊状態となり,顔面紅潮や動悸,嘔気などみられる.肋間神経の神経炎を合併することがある.
・手技による合併症:大動脈穿刺,臓器穿刺(腎臓穿刺,肺穿刺による気胸,横隔膜穿刺).右側からのアプローチの際には胸管穿刺による乳糜胸を起こすことがある.根動脈へエタノール注入すると前脊髄動脈症候群を発症し,不可逆性の対麻痺が発生する.また,エタノール注入後に可逆性の血管攣縮を起こすことにより,一過性の対麻痺が生じることがある.
・感染.
<参考文献>
日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会編集.ペインクリニック治療指針改訂第5版.東京,真興交易医書出版部,2016.
日本ペインクリニック学会がん性痛に対するインターベンショナル治療ガイドライン作成ワーキンググループ編集.がん性痛に対するインターベンショナル治療ガイドライン.東京,真興交易医書出版部,2014.
<解答例>
以下の抗ウイルス薬を投与する.
・経口:通常,成人には1回アシクロビルとして800 mgを1日5回経口投与する.
・静注:通常,成人にはアシクロビルとして1回体重1 kg当たり5 mgを1日3回,8時間ごとに1時間以上かけて,7日間点滴静注する.
※ただし,①~③に関しては,腎障害のある患者または腎機能の低下している患者では,投与量および投与間隔などについて注意する.
※NSAIDsの副作用である消化性潰瘍,腎機能障害,出血傾向等を考慮して,投薬の可否,薬物選択,投与期間等を考慮する.
※肝機能障害,極端な低栄養,アルコール性肝障害のある患者では,投与量ないし投与間隔について考慮する.
※腎機能障害のある患者では投与量および投与後の副作用発現に注意する.
※腎機能障害のある患者では投与量および投与後の副作用発現に注意する.
本邦における神経障害性疼痛薬物療法アルゴリズム
日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂版作成ワーキンググループ編集.神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂第2版.東京,真興交易医書出版部,2016,p49図5.
※腎機能を評価して投与量を調節する.
※許認可薬の適応外使用である.
※腎機能を評価して投与量を調節する.
※腎機能を評価して投与量を調節する.
※他のオピオイド鎮痛薬から切り替えて使用する.
※腎機能の障害のある患者では投与量および投与後の副作用発現に注意する.
必須記述問題:以下の5題すべてについて,所定の用紙に簡潔に述べてください.(配点:5題,各5点,計25点)
<解答例>
<参考文献>
日本臨床医学リスクマネジメント学会テキスト作成委員会編集.医療安全管理実務者標準テキスト.東京,へるす出版,2016,pp2–6.
<解答例>
<参考文献>
脊髄刺激療法.日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会編集.ペインクリニック治療指針改訂第5版.東京,真興交易医書出版部,2016,pp72–4.
<解答例>
・高用量のオピオイド鎮痛薬処方を要求する
・激しい痛みがないにもかかわらず薬物を貯める
・特定の薬物の処方を希望する
・他の医療機関から同様の薬物入手する
・許容を超える用量への増量
・痛み以外の症状の緩和のための不適正使用
・処方医の予測に反した薬物の精神効果の出現
・処方薬の転売
・処方箋の偽造
・他人からの薬物の入手
・経口薬の注射のための液体化
・医療機関以外からの処方薬物の入手
・紛失エピソードの多発
・不法薬物の同時使用
・指導にもかかわらず,度重なる内服薬の増加
・風貌の変化
<参考文献>
オピオイド治療中の諸問題.日本ペインクリニック学会非がん性慢性[疼]痛に対するオピオイド鎮痛薬処方ガイドライン作成ワーキンググループ編集.非がん性慢性[疼]痛に対するオピオイド鎮痛薬処方ガイドライン.東京,真興交易医書出版部,2012,p49.
<解答例>
各専門のスタッフが診察室に一堂に会して患者の診療を行う.
ペインクリニックの医師,リハビリテーション,整形外科,神経内科,心療内科,臨床心理士,理学療法士,看護師,薬剤師,栄養士,社会福祉士などで構成される.
<参考文献>
日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会編集.ペインクリニック治療指針改訂第6版.東京,真興交易医書出版部,2019,p13.
<解答例>
1)薬物療法:神経障害性疼痛治療薬(カルバマゼピンが第一選択薬,その他ラモトリギンやバクロフェンなど).
2)インターベンショナル治療:三叉神経末梢枝やガッセル神経節に対する局所麻酔薬を使用した神経ブロック治療や高周波熱凝固治療.
3)手術療法(減圧術)
4)放射線療法(ガンマナイフ)
<参考文献>
日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会訳.国際頭痛分類第3版beta版.東京,医学書院,2014,pp154–6.
10.典型的三叉神経痛.大瀬戸清茂監修.ペインクリニック診断・治療ガイド第5版.東京,日本医事新報社,2013,pp263–74.
それぞれの設問に適切な答えを2つ選んでください.(配点:30題,各2点)
解答:a,e
解答:c,e
解答:d,e
解答:d,e
解答:b,e
解答:d,e
解答:a,d
解答:a,e
解答:a,c
解答:a,b
解答:b,e
解答:c,e
解答:b,d
解答:a,c
解答:a,c
解答:a,b
解答:b,e
解答:a,d
解答:b,c
解答:d,e
解答:a,c
解答:a,e
解答:a,c
解答:b,c
解答:a,e
解答:d,e
解答:a,c
解答:b,e
解答:c,e
解答:c,e
以上
一般社団法人日本ペインクリニック学会
ペインクリニック専門医認定委員会