日本ペインクリニック学会誌
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三叉神経痛に対する口腔粘膜8%リドカインスプレーの鎮痛作用
仁木 有理子金井 昭文岡本 浩嗣
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論文ID: 10-0023

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抄録
三叉神経痛は三叉神経第2,3枝に好発し,飲食や会話を困難にする.口腔粘膜領域の三叉神経痛を有する患者12人に8%リドカインスプレー(キシロカインポンプスプレー®:LPS)を処方し,粘膜の痛み部位への塗布を指示した.1回使用量は最大24 mg,使用間隔を4時間以上空けて,痛み出現時に使用可能とし,痛みを視覚アナログスケール(VAS)で評価した.LPSは痛みをVASで塗布直前58 ± 17 mm(平均 ± 標準偏差)から塗布10分後5 ± 13 mmに有意に低下させた.作用発現時間の中央値(範囲)は3(1~10)分であり,作用持続時間は3(0.5~6)時間であった.2人にLPS塗布部のしびれを生じた.満足度は大変満足7人,満足4人であった.LPSは口腔粘膜領域の三叉神経痛に対して重篤な副作用なく,迅速に鎮痛作用を発揮する可能性が示唆された.
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© 2011 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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