日本ペインクリニック学会誌
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末梢性顔面神経麻痺の造影MRI所見と予後予測に関する検討
三浦 皓子鈴木 健二鈴木 翼大畑 光彦中里 龍彦
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論文ID: 14-0034

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抄録
【目的】末梢性顔面神経麻痺予後判定におけるMRIの有用性を検討した.【方法】発症後14日以内に受診した患者のうち,造影MRIを撮影した55例を対象とした.造影剤増強効果の有無により2群に振り分け比較した.また,全症例を対象とし随伴所見(痛み・帯状疱疹・味覚障害・聴覚過敏・涙分泌低下・MRIで造影剤増強効果)の有無と完治率との関連性を調査した.さらに,造影剤増強効果を認めた部位と随伴所見による障害部位診断との関連性について検証した.【結果】造影剤増強効果あり:A群35例,造影剤増強効果なし:B群20例であった.経過中の最低麻痺スコアおよび発症後1週間以内のelectroneurography値はB群で高かった.治療内容ではA群で入院治療・神経ブロックなど,濃厚な治療が施行された.完治率はA群71.4%,B群100.0%とB群で高かった.随伴所見の有無と完治率との関連性については,MRI上造影剤増強効果なしでのみ完治率が高かった.造影剤増強効果を認めた部位は膝神経節上が88.6%と最も多かったが,随伴所見から得られる部位診断では,鼓索神経下が48.6%と最も多かった.【結論】造影MRIは,末梢性顔面神経麻痺の予後を予測するうえで有用であることが示唆された.造影剤増強効果を認めた部位と随伴所見による部位診断との間に関連性は認めなかった.
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© 2015 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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