論文ID: 18-0041
症例は34歳,女性.左三叉神経第三枝の帯状疱疹を発症し,左下顎・耳介・耳珠に強い帯状疱疹関連痛が出現した.星状神経節ブロックにより下顎の痛みは改善したが,左耳介・耳珠の強いアロディニアが残存した.超音波ガイド下に浅層での耳介側頭神経ブロックを施行したところ,耳介・耳珠のアロディニアは著明に改善し,計3回のブロックにより消失した.耳介側頭神経領域の痛みが強い三叉神経第三枝の急性期帯状疱疹関連痛に対して感覚神経ブロックを施行する場合には,下顎神経ブロックや深部の耳介側頭神経ブロックを行う前に,浅層でより末梢レベルの耳介側頭神経ブロックを行うことで痛みの改善が期待できる.また,従来ランドマーク法で施行されてきた浅層の耳介側頭神経ブロックを超音波ガイド下法で施行することにより,より少量の局所麻酔薬で安全・確実なブロックが可能となる可能性が示唆された.