日本ペインクリニック学会誌
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経尿道的手術術後のテネスムス症状に対する微量モルヒネ添加脊椎麻酔の有効性に関する検討
梅内 貴子藤原 昭宏伊吹 京秀智原 栄一細川 豊史田中 義文
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2003 年 10 巻 2 号 p. 145-149

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抄録
経尿道的前立腺切除術 (TUR-P) 術後のテネスムス症状を改善する目的でくも膜下腔に塩酸モルヒネを投与し, その有効性を検討した. TUR-Pを予定された患者44名を対象とし, 麻酔法により局所麻酔薬群とモルヒネ群の2群に分けた. 脊椎麻酔はL34またはL45の棘間から22~25G Quincke 型脊椎麻酔針で穿刺し, 局所麻酔薬群では0.24%塩酸ジブカイン2.5または3mlを投与した. モルヒネ群では塩酸モルヒネ0.1mgを塩酸ジブカイン2.5mlまたは3mlに混入, 計2.6mlまたは3.1mlをくも膜下腔に投与した. モルヒネ群は局所麻酔薬群に比べテネスムス症状の有意な改善が認められ, 体重あたりの坐剤使用量も有意に減少した. 呼吸抑制などの重篤な副作用は認められず, モルヒネを添加した腰椎麻酔は術後テネスムス症状の管理に有効な麻酔法であることが示唆された.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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