日本ペインクリニック学会誌
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神経ブロック療法では継続的な効果が得られなかったがバクロフェン内服が著効した難治性吃逆の1例
笹野 寛津田 喬子田中 明美笹野 信子勝屋 弘忠
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2003 年 10 巻 4 号 p. 509-512

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抄録

吃逆は, 正常呼吸運動を障害するため, 吃逆重積時に患者が感じる苦痛はきわめて大きい. 今回われわれは肝硬変, 肝細胞癌を基礎疾患に有し, それと関連が疑われた難治性吃逆症例の治療を経験した. 症例は71歳男性. 初診後初期の持続頸部硬膜外ブロックは, 持続注入中は効果的であったが, 終了後には効果が減少した. その後に行った星状神経節ブロック, 横隔神経ブロックともに効果は弱く徐々にコントロール不良となった. 初診から8カ月後にGABA-B受容体アゴニストであるバクロフェンを内服させたところ著効し, 以降, 原疾患により他界するまでの計23カ月間, 吃逆による呼吸苦を感じないレベルで維持することができた. 吃逆の原因が持続し, 神経ブロックが無効になった症例に経口バクロフェンが有効であった.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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