日本ペインクリニック学会誌
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硬膜外カテーテルのくも膜下迷入が原因で高度の鎮静状態をきたした2症例
松永 万鶴子土持 浩恵池田 静佳原 仁美生野 慎二郎比嘉 和夫
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2005 年 12 巻 1 号 p. 29-32

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抄録

硬膜外カテーテルよりモルヒネを持続投与中に高度の鎮静状態と意識消失が出現した2症例を報告する. 2症例とも硬膜外麻酔と全身麻酔の併用で開腹手術を行った. 術中にくも膜下迷入を示唆する所見がなかった. 2症例とも高度の鎮静状態になったとき, 硬膜外カテーテルより糖を含んだ透明の液体が吸引された. 酸素投与中であり, SpO2は低下しなかった. ナロキソンの持続静脈内投与により意識レベルと呼吸抑制は改善した. 麻薬を用いた硬膜外鎮痛中に高度の鎮静状態が生じたら, 硬膜外カテーテルのくも膜下迷入を疑う必要がある.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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