日本ペインクリニック学会誌
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腟式子宮全摘出術の術後疼痛管理
明石 祐史馬場 剛齋藤 豪川股 知之山川 康水沼 正弘荒川 穣二
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2005 年 12 巻 4 号 p. 374-379

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抄録
目的: 腟式手術は皮膚切開創を伴った開腹操作がないために術後痛は比較的軽度であると認識されている. ところが, 術後内臓痛を主体とした疼痛により管理に難渋するケースが今なお多い. 今回われわれは, 病棟医という視点から腟式子宮全摘出術の疼痛管理の実態を調査し, 術後痛および術中, 術後の疼痛管理について再検討することとした. 方法: 2002年1月から2004年8月に2施設において施行された128例を対象とし脊椎麻酔単独群と持続硬膜外鎮痛法群に分け, 術後鎮痛薬投与回数・帰室後初回鎮痛薬投与までの時間・visual analogue scale (VAS), Prince Henry pain scale (PHPS)・疼痛部位・副作用の出現について比較調査した. 結果: 術後鎮痛回数は持続硬膜外鎮痛法群1.8回, 脊椎麻酔群3.7回であり有意に前者で少なかった (p<0.05). VAS, PHPS等の他項目に関しても有意に持続硬膜外鎮痛法が有利であることを示した, 結語: 腔式子宮全摘出術は一般に認識されている以上に術後痛が強く, 安定した術後鎮痛効果を得るためには持続硬膜外鎮痛法が有用である.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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