日本ペインクリニック学会誌
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除痛を目的とした硬膜外脊髄刺激法の長期使用成績
浜川 俊朗宇野 武司田中 信彦近藤 修鬼塚 信高崎 真弓
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1996 年 3 巻 4 号 p. 400-403

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抄録

目的: 硬膜外脊髄刺激法 (SCS) 施行後, 3カ月以上経過観察している患者の除痛効果と合併症を検討した. 方法: 22人 (男性14人, 女性8人) の慢性難治性疼痛患者にSCSを施行し, 使用前後の visual analogue scale で50%以上の除痛が得られたものを有効とし, それ未満を無効とした. 結果: SCSが3カ月~6年6カ月間継続して有効であったのは, 22人中12人で, 残りの10人は途中で無効になった. 無効の10人中6人は, 電極の断線またはずれ, 受信器の故障が原因によるもので, 修正手術によって有効となった. 結局, 22人中18人で有効, 4人で無効であった. 合併症として, 受信器植え込み部位の異物感, 痛み, 潰瘍形成を認めた. 結論: SCSで慢性疼痛患者22人中18人を, 重大な合併症なしに長期間効果的に除痛することができた.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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