日本ペインクリニック学会誌
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原発性骨粗鬆症に対するメナテトレノン (ビタミンK2) の鎮痛効果と骨塩量減少抑制効果
山路 敦子山路 倫生山路 兼生
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1998 年 5 巻 1 号 p. 1-4

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抄録

骨粗鬆症の慢性疼痛に対する治療は難渋することがあり, 骨折予防の面からも治療は長期間にわたる. 今回従来からの活性型ビタミンD3, カルシトニン製剤, 消炎鎮痛剤, 理学療法などの治療に抵抗し, 腰背部痛が軽減しない12症例に対して, 新たにメナテトレノン (ビタミンK2) 30mg/日を追加投与し治療効果を検討した. 疼痛の評価には10段階のペインスコアを用い, 骨塩量の評価には Computed X-ray Densitometry 法を用いた. ビタミンK2投与開始までの平均1年8カ月間には活性型ビタミンD3を中心とした治療が行なわれていた. ビタミンK2投与開始後約2~4週で疼痛の軽減が認められ, 投与開始後ペインスコアは昼夜とも有意に低下した. また骨塩量はビタミンK2投与開始4, 8カ月後に有意に増加した. ビタミンK2は, 疼痛の軽減のみならず骨折などの予防的視点からも有用な薬剤の一つであると示唆された.

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