日本ペインクリニック学会誌
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吃逆に対する神経ブロック治療
山崎 裕御村 光子岩崎 富美硲 光司並木 昭義
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1998 年 5 巻 4 号 p. 481-485

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抄録
目的: 難治性吃逆に対する神経ブロック治療の効果について検討した. 方法: 難治性吃逆の治療法として硬膜外ブロックまたは星状神経節ブロック (SGB) を第1選択とした7例の患者を対象とした. 吃逆の原因, ブロックの効果および吃逆停止に要した期間について検討した. 結果: 吃逆の原因として3例がいわゆる術後吃逆であり, 2例では脳神経系, 消化器系疾患が原因と考えられ, 2例は特発性であった. 硬膜外ブロックおよびSGBは一時的な停止を含めると全例で吃逆に対し効果があった. 7例中6例において神経ブロック治療により吃逆は停止し, 完全停止に要した時間は平均で約15日であった. 結論: 硬膜外ブロックおよびSGBが吃逆停止に奏効する機序として, 吃逆反射弓における頸髄由来の横隔神経および胸部交感神経節の遮断が推測された. 硬膜外ブロックおよびSGBは吃逆停止に有効であり, ペインクリニック医として最初に試みるべき治療のひとつと考えられた.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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