日本ペインクリニック学会誌
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癌性疼痛の管理
加藤 佳子
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2001 年 8 巻 1 号 p. 7-11

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抄録

癌性疼痛の管理で大切なことは, 患者が「楽になった」と実感する医療を提供することである.「患者の痛みの訴えを信じ, 痛みについて話し合い, 痛みの強さや心理状態を把握し, 痛みの経過を詳しく問診し, 理学的検査をていねいに行い, 適切な検査を選択し, 薬以外の治療法も考え, 鎮痛効果を監視する」という診断手順をふみ, 痛みの原因を診断し適切な疼痛治療を選択しなければならない. 残された時間が限られた末期の癌疼痛患者では「とりあえず痛みをとる」ことが最優先される場合もある. ペインクリニック医は,「苦痛に最も早く対処できる専門家である」ことを患者にもっと理解してもらうことに努め, 痛みの原因を診断し治療する能力を高めるとともに患者とうまくコミュニケーションをとる技術を向上させる必要がある.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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