日本ペインクリニック学会誌
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SGBの効果: 何が良いか, Evidence をさがそう緊張型頭痛の病態と治療
岡本 健一郎
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2002 年 9 巻 4 号 p. 357-361

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抄録

緊張型頭痛の病態と治療を考えるうえで, 頭痛全体のなかでの緊張型頭痛の位置付けと診断基準は重要である. 1988年の国際頭痛学会の分類では, 緊張型頭痛は機能性頭痛に分類され, 精神的・肉体的ストレスが誘因となる従来の緊張性頭痛などの疾患群を含む頭部筋群の異常を伴うものの病態として, 末梢性の阻血性筋収縮および中枢性の機序の関与が指摘されている. 免疫系の不均衡状態も示唆されている. 緊張型頭痛の治療は, その病態生理に基づいて行うことはもちろんであるが, 原因が複合的であり, 対症療法も重要となる. 神経ブロック療法, 薬物療法, 心理療法, 理学療法, レーザー療法など各種の治療法があるが, 組み合わせて利用する. 緊張型頭痛患者に対し, 臨床の場では星状神経節ブロックの有効性をしばしば経験する. 交感神経機能異常の安定化, 血管壁の浮腫や炎症の抑制, 血管壁に対する交感神経疼痛の遮断効果が考えられる. 横田は松果体に及ぼす交感神経の影響という点および交感神経が免疫系の調節に関与する可能性を示唆している. しかし, 治療の evidence ということになれば, 緊張型頭痛に対する星状神経節ブロックの効果を客観的に証明する報告はない.

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