精密機械
Print ISSN : 0374-3543
ラツプ仕上の研究(第5報)
濕式ラツプ仕上面の粗さについて
津和 秀夫
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1954 年 20 巻 228 号 p. 103-107

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抄録

以上の研究の結果を総括すれば次のようになる。
(1) 濕式ラップ仕上面はラップ剤の転動と滑りによる疵目から成り立つのであるが,最初は転動による疵目が主なもので,時間の経過と共に滑りによる疵目が多くなり,その状況はラツプ仕上の機構と密接な関係を保つ。
(2) ラップ剤は粉碎され,最初にどのような大いさのラップ剤を使用しても,終局においてはその大いさは一定となるのであるが,ラップ仕上面の粗さは最初のラップ剤の大いさによつて異る。すなわち粗いラツプ剤を使用すれば終局の仕上面粗さも粗くなる。これはラツプ剤の仕上能力の経過とその大いさとから説明できる。
(3) 圧力が大きい程ラツプ剤は早く粉碎され,仕上面は滑かになるのが早いが終局において到達する粗さはどのような圧力のときも一定である。
(4)工作物の硬さが硬い程,仕上面粗さは滑かとなる。

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