精密機械
Print ISSN : 0374-3543
超音波振動砥石による精密仕上の研究(第3報)
砥石の目つまりについて
田中 義信津和 秀夫矢野 章成
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1965 年 31 巻 363 号 p. 307-312

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抄録

以上,超音波振動砥石において目つまりが起こりにくくなる機構を解明するためにおこなった実験結果を要約すると次のようである.
1) 超音波振動を砥石に与えると砥石の透過性は非常によくなり,細かい切りくずは加工液とともに砥石内を通って外部に噴出されやすく,これが目つまり減少の一原因となっている.
2) 砥石表面に付着している切りくずに約110エルステッドの磁場をかけるとほとんど除去される.そして,この程度の磁場の強さで鉄粉を付着させたものに超音波振動を与えると振幅の増大とともに鉄粉の落下率は増し,空気中より液中のほうがキャビテーションによる洗浄効果を受けるため目つまり防止に一層の効果がある.
3)超音波振動面の静止摩擦係数は無振動のそれにくらべて激減し,それがために切りくずが砥石表面に付着しにくくなることが推察される.

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© 社団法人 精密工学会
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