精密機械
Print ISSN : 0374-3543
振動送り切削における切削力の挙動および切削面粗さ
湊 喜代士豊島 敏雄盛田 昌宏
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1980 年 46 巻 2 号 p. 195-200

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抄録

本研究の結果を要約すると次のとおりである.
(1) 振動送り切削の切削加およびその方向は真実送りの変化に伴って変化する.
(2) 切削力は振動の1周期中に一つのループを描いて変化し, フライス加工における土向き削りおよび下向き削りと同様の現象がみられる.最大切削力は最大真実送りに対応した通常切削の場合の切削力とほぼ等しい.
(3) 断続切削では, z=0.5の近傍で理論的には仕上面粗さは小さくなるが, 実際には盛上がりなどの影響であまり小さくならず, 実用的でない.
(4) 振動送り切削の仕上面粗さは, 理論的にも実験的にも全般的に通常切削のそれより悪くなる。したがって切りくずが折断される限界ftmin=0.3fで, なるべくzを小さくするのがよい.

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© 社団法人 精密工学会
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