精密機械
Print ISSN : 0374-3543
バックラッシュを有するサーボ機構のマイクロコンピュータを用いた衝突が生じない制御方式
二見 茂久良 修郭七井 貞明
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1984 年 50 巻 11 号 p. 1791-1797

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抄録

バヅクラッシュを有するサーボ機構の新しい制御方法を提案した.バックラッシュ部のギャップとその速度が計測可能であるとき,
(1) バヅクラッシュ部で衝突を生じない.
(2) バックラッシュの存在によらず制御系は安定で,高速応答が実現できる.
(3) 位置決め精度はバックラッシュの存在とその量に無関係に高精度にできる.
という特徴を有する制御方法を提案した.
この制御方法は,
(1) ギヤップ制御
(2) 負荷位置制御
(3) 負荷の駆動方向判定
(4) 接触状態の判定と制御の切替え
から構成され,マイクロコンピュータシステムにより実現された.
実験により提案した制御方法が有効であることを確認した.
なお,この制御方法の適用限界は,正方向接触/負方向接触の領域が重なり合ってしまう程にバックラッシュ幅が微小な場合,制御の切替えとギャップ制御の整定する時間よりも速く負荷の摩擦や負荷力,あるいは位置指令の方向が変動してしまうような場合,などと考えられる.

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© 社団法人 精密工学会
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