精密工学会誌
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CADの標準の動向
小島 俊雄
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1986 年 52 巻 5 号 p. 801-804

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抄録

CADシステムは本来,個々の生産技術分野,さらにいえば生産現場ごとの独自性を反映して初たて効果を上げるのであるから,本来標準化と相容れない側面を有している.CADの標準化にあたって,標準化すべき分野,項目,方式などについて,明確にしてゆかねばならぬ点も多い.
機械系CADの標準化について本文でとりあげなかった活動もある.ISO/TC10(製図)においてはCADに対応しようとする動きがあり,新しいWGを発足させるものと思われる.国内では工業技術院からの委託により,(社)設計製図学会において機械製図システムの標準化の調査研究を5年計画で開始している.ハードウェアおよびソフトウェアの互換性,インタオペラビリティについての混乱に対処するOSI(OpenSystemInterconnection)を前提としたアプローチなどをCADの分野で進たることも要請されている.次世代CADの研究もこのような標準化と製品モデルの面で大いに関係する.
技術の進歩を阻害しない範囲で,従来の技術の流れに沿う方向で数ンセニンサスを得るためには,標準に関して事ごとにいわれる緊密な「リエゾン」を各方面で随時とってゆくことが重要である.

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