精密工学会誌
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針工具を用いたセラミック材料の放電研削複合加工に関する-考察
戸倉 和吉川 昌範
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1987 年 53 巻 2 号 p. 295-300

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抄録

セラミックスの放電研削複合加工の機構を解明する目的で,アルミナと焼結助剤の異なる3種類の窒化けい素について,針電極工具による電解液中での放電現象について観察した結果,次のことがわかった.
(1)NaOH20%水溶液中,50Vで3min間放電させたところ,いずれのセラミックスにも加工痕が生じ,その除去量はセラミックスの種類によって異なり,窒化けい素ではその焼結助剤によって異なる.
(2)加工液がNaOH水溶液の場合,除去量はアルミナ助剤の窒化けい素で最も多く,次いでアルミナ,イットリアとアルミナ助剤の窒化けい素,マグネシア助剤の窒化けい素と続く.
(3)電圧が高い程除去量は多い.
(4)針電極工具がマイナス極の時,材料除去量は多く,工具の消耗が少ない.
(5)材料除去は放電で高温に加熱された加工液による粒界の腐食作用が主である.

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