精密工学会誌
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ダイヤモンド粒のセラミックス被覆
戸倉 和安藤 正雄吉川 昌範
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1987 年 53 巻 8 号 p. 1259-1264

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抄録

3種類の異なるダイヤモンド粒にCVD法でTiCセラミックス被覆を試みた結果,次のことが明らかになった.
(1)ダイヤモンド粒の種類により被膜の付着強度は異なり,合成イレギュラダイヤモンド粒で最も強く,天然ダイヤモンド粒,合成プロッキダイヤモンド粒と続く.
(2)ダイヤモンド粒の種類により被膜の結晶生長は異なり,合成プロッキダイヤモンド粒と天然ダイヤモンド粒で柱状晶が,合成イレギュラダイヤモンド粒で微粒多結晶が得られ,被膜の付着強度と密接な関係にあることがわかる.
(3)被膜の結晶生長はダイヤモンド粒の包有物と密接な関係にある.
(4)被覆膜の付着強度はダイヤモンド粒の包有物と密接に関係すると考えられるが,包有物以外の影響については今後の課題としたい.
(5)合成イレギュラダイヤモンド粒の場合,TiC被覆によって800℃までの高温空気中による酸化腐食を抑制する効果がある.

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