精密工学会誌
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高分解能微動アクチュエータと制御
STMにおけるピエゾアクチュエータ
岡山 重夫梶村 皓二渡辺 眞二本間 昭彦
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1988 年 54 巻 5 号 p. 817-821

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抄録

STM用の高分解能微動アクチュエータの構造,特性評価,変位の非直線性補正についてまとめた.STM用のピニゾアクチュエータはトンネル電流検出用探針駆動に使われるため,高分解能,小型化が不可欠な条件となっている.特に,小型化と高剛性の実現は高速走査を可能とし,試料の動的観察,ドリフトの影響の低減に必要である.
STMでは縦方向分解能10pm,横方向分解能が0.1nm程度と非常に高い分解能を有する半面,走査領域が狭いため他の計測法との整合性がとりにくいことが問題である.このため,分解能を損なうことなく駆動ストロークを拡大する工夫が必要である.それに伴ってピエゾ素子の非直線性補正が不可欠な制御技術となっている.

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© 社団法人 精密工学会
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