素材の組合せから溶接部品を設計する問題を逆に溶接部品から素材への形状分割問題として考えて, 計算機で支援する方法を提案する.そのため, 面接続特徴と面接触特徴を各々定義して, 溶接部品の分割前後の形状を多重特徴で認識する.面接続特徴は溶接部品の凹稜線グラフから認識され, 面接触特徴は分割される二つの素材形状から認識される.認識された多重特徴に基づいて溶接部品の形状分割を支援する.
本研究では, 元の溶接形状に対して分割する方法より, 元の形状と分割された後の形状を実時間で比較しながら溶接部品を設計することを目的とした.同一形状に対しても, 溶接で製作するために形状を分割する時, その分割方向によって, 製作形状と工程計画などが異なるが, 多重特徴認識によってこれらの作業も支援できると思われる.また, 形状分割作業をユーザと計算機との対話形式で実施することによって, 溶接設計時の設計生産性の向上が期待される.
今後は, 認識された面接続特徴と面接触特徴に基づいて, 分割された形状の溶接製作形状を自動生成するルールベースシステムを開発する予定である.